環境による教育
子どもたちが園生活の中で主体的に活動や遊びを展開していくことを大切にしています。保育者は、子どもたちが、自分自身で「何の遊びをするか」「誰と遊ぶか」「どこで遊ぶか」を考えて行えるように、各保育室や園庭の環境構成を行っています。各保育室に配置されている遊具や用具、素材は、子どもの発達や興味、関心、季節などに応じて違いますが、子どもたちの創造性や想像力を高めるモノ、試行錯誤を行いながら取り組むモノなどを選んでいます。
環境による教育
子どもたちが園生活の中で主体的に活動や遊びを展開していくことを大切にしています。保育者は、子どもたちが、自分自身で「何の遊びをするか」「誰と遊ぶか」「どこで遊ぶか」を考えて行えるように、各保育室や園庭の環境構成を行っています。各保育室に配置されている遊具や用具、素材は、子どもの発達や興味、関心、季節などに応じて違いますが、子どもたちの創造性や想像力を高めるモノ、試行錯誤を行いながら取り組むモノなどを選んでいます。
また、乳児~2歳児クラスでは、保育者が身の回りにある生活品を利用して手作りの玩具を作っています。感覚が敏感な乳幼児期は、手触り、匂い、音、味、舌触りなどあらゆる感覚を使って、モノの特徴を認識していきます。素材の違いを感じられることも大切です。
自己主張を十分にする。
乳児であっても「自分はこうしたい」という思いがあります。私たちは、その子どもの思いに気づき、実現できるように手助けをします。時には、私たちを悩ませる要求もあります。しかし、「できない」とすぐに諦めたり「駄目」と否定をしないように心がけています。どうしたら実現できるのかを一緒に考えたり、代替案を提案をします。そのような経験の積み重ねにより、子どもたちは、自分の思いを素直に表現できるようになっていきます。
やりたいことを思う存分やる。
子ども自身が「面白がって行う」「自分なりに目標を決めて行った」ときに達成感や充実感を味わうことができます。この繰り返しによって、自分に対する信頼感(自己肯定感)を育むことができるのです。自己主張する力が欠ければ、自己肯定感は育ちにくいといわれます。子どもは、一人ひとりに意志があり、尊重される存在です。子どもの「やりたい!」を十分に満たすことを大切にしています。
愛情のこもった手作りの食事とおやつ
乳幼児期は、体の基礎をつくる大切な時期です。季節や地域を問わず、あらゆる食材が手に入り易くなりましたが、旬の野菜には、栄養素が豊富に含まれています。その旬の野菜をふんだんに使用し、豆類や海草、乾物などのミネラルが豊富な食材を多く取り入れています。素材の持ち味を生かし薄味に仕上げた日本食中心の手作りの食事とおやつを提供しています。また、伝統行事に食されてきた食事や地域の郷土料理といった日本の食文化を子どもたちに伝えていきたいと思っています。
食材のこだわり
地域の農家が愛情を込めて育てた有機栽培の野菜、生活クラブ生協の肉や卵、調味料、乾物類、国産有機大豆を昔ながらの製法で絞ったヤマキの醤油や味噌、東毛酪農の低温殺菌(60℃で30分)牛乳、活性炭入り浄水器を通した水を使用するなど、私たちにできる限り、食材の選び方や調理方法の工夫をしています。
洗剤
油の切れは悪くても、水を汚さない環境にやさしい合成界面活性剤無添加の石鹸と洗剤を使用しています。敏感な子どもの肌にも安心です。
食器・カトラリー
食器は陶器と磁器、コップはガラスと陶器です。これは「乱暴に使えば壊れる」ことを知り、大切に使うことを学んでほしいという考えからです。また、子どもの手にフィットし、スプーンですくい易い形状の器を選んでいます。スプーンは年齢に応じてサイズを変えています。
離乳食・移行期食・アレルギー除去食
乳児、1歳児クラスのお子さんには離乳食・移行食を提供しています。食物アレルギーをお持ちのお子さんにはアレルギー除去食を実施しています。
食事の環境
食事の前には、子どもたちと一緒に食事の準備をします。テーブルを拭き、クロスをかけたり、植物を飾り、心地よく食事ができる環境を整えます。
感謝の気持ちを育てる
自分で食べる量を決めます。お皿によそった食事は、残さず食べます。野菜の栽培や収穫、調理といった、口に入るまでの過程を経験しながら、天地の恵み、いただいた命を大切にする気持ちを育んでいきます。
食事をつくる人
調理室は、食事がどのように作られているか興味を持った時に、どのクラスからでも見に行き易いように、園舎の中央に配置しました。「今日のご飯は何ですか?」と子どもと食事を作る人の会話を大切にしています。
「今日は○○だった!」
子どもたちが実際に食べた食事やおやつ、掘ってきたお芋、たけのこなどを玄関脇に展示しています。
人とのかかわり
友だちと一緒に遊ぶ中で、遊びのイメージを共感したり、意見を交換したり、時にはケンカをしたりしながら、人とのかかわりを学んでいきます。また、一緒に遊んでいなくても、他の子どもの行っていることをよく見ていて、楽しそうなことを行っていれば、仲間に入ろうとしたり、譲ってもらおうとしたり、子ども同士のやりとりが生まれます。「入れて」「貸して」と言えるようにするのが、人とのかかわりを育てることではありません。様々な人とのやりとりを経験すること、そのことが、社会性を育んでいきます。
異年齢のかかわり
年齢の違う子ども同士が生活(遊び)の中で関わりあえる環境をつくります。兄弟姉妹が少ない中で育つ子どもたちに、上の年齢の子どもの遊びや動作を下の子どもが模倣したり、異年齢で生活する中で、社会や集団生活のルールを日常の中で学んでいきます。また、人間関係を豊かにし、優しさ、思いやり、我慢することの気持ちを育てます。
愛着関係の築き
乳児クラスから2歳児クラスまでは、保護者に代わって決まった保育者が愛着関係を築いていけるように担当を決めて少人数のグループで生活をしています。特定の保育者が関わることで、子どもたちは、安定した生活をおくることができます。特定の大人との信頼関係は、人格形成に重要なことです。また、乳児期前半は、遊びと睡眠、食事(授乳)の時間を個々の生活リズムに合わせて、ゆったりと過ごせるようにしています。
担当を決めることによって、その子の特性をしっかりと受けとめ、かかわりを考えて援助していきます。
人の役にたつことの喜び
自分を十分に受容してもらった経験は、他者を信頼し、共存していくことへの喜びにつながります。自分のことだけでなく、人のために役に立つことを自分の幸せと感じるようになります。他者の喜び、痛みに共感する心を育くんでいきます。
絵本・素話
子どもの年齢や興味や関心、季節に合わせ、ことばや絵が丁寧に描かれた絵本を厳選し、読み聞かせを行っていきます。何度も繰り返し、聴くことで、絵本や物語の世界感が、子どたちの中に再現されていきます。子どもたちが、耳で聴いたことを想像力を働かせながら、情景を思い描き、お話の世界に共感したり、喜んだり、悲しんだり、その世界の中で生きてきます。このような経験は、子どもたちのことばやごっこ遊び、お絵かきの中にも影響を与えます。
うた・わらべうた
わらべうたの音階は、乳幼児にとって、耳にのこり、感じやすいといわれます。人が肉声でうたうことや話しかけることが発話を促し、発声の基礎をつくり、やがて、ことばにつながっていきます。
また子どもの体に直接触れ、リズムを感じ、一緒に楽しみます。目を合わせて楽しむということは、感情を共有することになり、コミュニケーション能力の基礎を築くうえでも大切なことといわれています。私たちは、専門の講師を招いて、わらべうたの研修を行っています。
室内装飾・建物
子どもは全身が感覚器といわれます。感覚を磨くこの時期に、本物を周りにおくことが大切です。保育室の家具や装飾、保育者の服装などもすべての環境が子どもたちに影響を及ぼしています。大人も子どもも「そこにいることが心地よい」と思えるような環境づくりを心掛けています。
自然の素材を存分に使ったハルムの園舎が「建築ジャーナル」2013年12月1日発行に掲載されました。
戸外環境
人間の手で人工的につくられたものではなく、自然のあふれた環境の中で遊ぶことで心身ものびやかに育っていきます。生物学者であり、ベストセラー作家であるレイチェル・カーソンは『センス・オブ・ワンダー』の中で「わたしは、子どもにとっても、どのようにして子どもを教育すべきか頭をなやませている親にとっても、「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと固く信じています。」と述べています。自然の中へ出かけ、五感を働かせることを大切にします。美しいもの、未知なもの、神秘的なものに目を見張る感性を育みます。